专利摘要:
固体収着材中に、有機検体および酸または塩基を含む水性液体サンプルを収着すること、および酸または塩基を支持体表面上で保持された中和イオンとの反応によって少なくとも部分的に中和すること、ならびに液体サンプルが収着された収着材を高温および高圧で有機溶媒と接触させて、好ましくはジルコニウム金属内面を備えた抽出チャンバーを有する容器中で、前記溶媒の中へ検体を抽出することによって、液体サンプルを前処理し抽出する方法。
公开号:JP2011514526A
申请号:JP2010548806
申请日:2009-02-19
公开日:2011-05-06
发明作者:エス;エム;ラーマット ウラー;カナン スリニヴァサン;ブライアン ドリッチ;クリストファー;エイ ポール;ブレット マーフィー;ブルース リヒター
申请人:ダイオネックス コーポレイション;
IPC主号:G01N31-00
专利说明:

[0001] 分析のための多くのサンプルの抽出は、酸溶媒または塩基溶媒の使用を必要とする。例えば、酢酸は、塩酸により前処理したフライアッシュを含むサンプルからのポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン(PCDD)およびポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)の抽出の間に追加することができる。この事例において、抽出容器および関連する配管は塩酸および酢酸に暴露される。対象となる検体が有機溶媒システムまたは水性溶媒システムによる抽出に利用可能であるように、いくつかのサンプルは、抽出の前に濃酸、濃塩基または酵素のような他の化学物質による前処理(加水分解、鹸化など)を必要とする。例えば、脂質は炭水化物またはタンパク質を有する複合体を形成するので、いくつかの食品サンプル中の脂質の抽出/分析は困難である。酸および熱によるサンプルの分解はタンパク質およびデンプンを加水分解し脂肪を遊離して、脂肪の容易な抽出を可能にして結合された脂質を放出する。酸加水分解法によって分析される典型的なサンプルは、穀類、パン、クッキー、チップ、マヨネーズ、調理した食事、肉製品およびチーズ製品のような焼いた食品および調理した食品である。国際公認分析化学者協会(Association of Official Analytical Chemists International)(AOAC)の方法966.06は、これらのサンプルのための酸加水分解工程と続いて行なわれるモジョニエ(Mojonnier)抽出法と呼ばれる液−液抽出(LLE)法について記述する。脂質を特異的なエーテルベースの溶媒を使用して酸および他のマトリックスコンポーネントから抽出し、次に溶媒を重量分析に利用可能な脂質を残して蒸発させるか、または脂質を脂肪酸エステル型に変換した後にGC/GC−MSによるさらなる分析を行なう。]
背景技術

[0002] しばしばガラスのような不活性材を使用して、対象となる検体の完全な可溶性を保証する侵襲性溶媒、例えば、濃酸または濃塩基により抽出されたサンプルを収容する。ガラスの性質はこれらの抽出が高温および高圧下で実行されることを阻害し、そのためこれらの抽出は大気圧またはその付近でおよびわずかに高い温度で典型的には行われる。この結果として、これらの条件下で実行された抽出は、加圧された溶媒抽出技術により遂行される典型的な抽出よりも長い期間がかかる。例えば、これらのような抽出は、試験管またはビーカーまたは他の類似した実験器具中でしばしば実行される。]
[0003] ダイオネックス(Dionex)社によって販売されたASE(登録商標)システムによって実行される加速溶媒抽出(accelerated solvent extraction)は、多くの型の検体の抽出に有用である一般に認められている固−液抽出(SLE)法である。(本明細書において使用される時、用語「ASE」は、ASE(登録商標)システムによって実行されるような加速溶媒抽出法およびシステムそれ自体を指す。)この方法は、米国特許第5,843,311号(「‘311特許」)およびEPA法3545中に記述されている。ASE法の実行のための自動システムは米国特許第5,785,856号中に記述されている。他の分析方法は、高濃度の濃酸または濃塩基によりサンプルを前処理する(例えば、サンプルを8MのHClにより酸加水分解する)方法を含む。]
[0004] 酸加水分解したサンプル中の酸への暴露は既存の機器類に関する問題をもたらしうる。例えば、ダイオネックスASE(登録商標)システムのステンレス鋼コンポーネントは、特に抽出の間に用いられる高温(例えば40℃〜200℃)の酸によって攻撃され、セル、チューブ、フィルターおよびフリットで観察されるようにステンレス鋼コンポーネントが黒化されうる。いくつかの極端な事例において、チューブの目詰りおよび関連する静圧弁破損もある。上記の破損はロバストシステムの実施に影響しうる。超音波処理によるフィルターおよびフリットの洗浄もしくは濃硝酸による頻繁なクリーンナップによって、またはコンポーネントの交換によって、特定の事例における上記の問題のうちのいくつかには対処することができるだろう。これらの処理は煩わしく侵襲性の試薬を必要とするか、または分析にこの処理を追加すると全費用は高くなる。同様に、他の侵襲性溶媒による抽出、または腐食剤を含むサンプルなどのサンプル条件では、ステンレス鋼コンポーネントは影響を受ける。]
[0005] 抽出前の前処理の具体的な例は、脂質含量を決定する有機溶媒による抽出前に酸(加水分解)または塩基(鹸化)のいずれかによる食品サンプルの前処理である。加水分解により、サンプルは、典型的には、70〜80℃で30〜60分間HCl(8M)と混合される。この後に、2、3の手順が続きうる。液体サンプルは、ジエチルエーテルのような水非混和性溶媒による直接的な液−液抽出を行うことができる(モジョニエ法AOAC国際方法989.05)。あるいは、液体サンプルを珪藻土および砂の組み合わせと共に混合し、次に有機溶媒によって抽出することができる(フォス(Foss)社およびビュッヒ(Buchi)社によって使用される技術)か、または液体サンプルは特殊なフィルターペーパーを介して通過させることができる(修飾したレーゼ−ゴットリーブ(Rose−Gottlieb)法AOAC国際方法922.06、932.06)。フィルターペーパーの抽出は、サンプル中の脂肪酸または脂質の量を提供する。鹸化の事例において、サンプルは通常酸性化されて脂肪酸をプロトン化し、続いて水非混和性溶媒による液−液抽出を行い脂肪酸を得る(シュミット−ボンドシンスキー−ラッツラフ(Schmid−Bondsynski−Ratzlaff)法)。]
[0006] サンプルの抽出は、液−液抽出(LLE)または固−液抽出(SLE)であっても、非常に時間がかかり、多量の溶媒を必要としうる。自動化はほとんど存在しない(フォス社およびビュッヒ社の装置は自動化ソックスレー(Soxhlet)抽出と呼ばれるが、なお2〜4時間を必要とする)。フォス社およびビュッヒ社の両方は、珪藻土(セライト(Celite))および砂の混合物を使用して加水分解したサンプルと混合する。次にこの混合物を水により完全に洗浄して、HClを除去する。水洗浄後に、固体サンプルを自動化ソックスレー抽出器中に置き、2〜4時間ヘキサンまたは石油エーテルにより抽出する。それらの装置の構造はガラス(不活性)であるが、使用した吸着剤は、液体抽出物またはハイドロジラート(hydrozylate)のpHを変化させない。]
[0007] ジルコニウム、タンタル、ハフニウム、セラミックス、ハステロイ、インコネルなどのような材料の使用は、材料の消化に使用される不活性弁、反応装置およびルツボにおける使用で公知である。フローサーブ(Flowserve)社などの会社は、弁およびバルブの部分中に、チタン、ハステロイ、インコネル、ジルコニウム、ならびに他の金属および合金を使用する。タンタリン(Tantaline)社は、金属部品の表面上にタンタルのコーティングを適用してそれらの耐食性を改善する。エヴァンス(Evans)社などの会社は、ルツボとしてジルコニウム合金またはジルコニウム合金を提示する。大スケール反応容器のライニングのためにセラミックスまたは「超合金」を使用する報告もある。]
[0008] 酸および塩基の中和のためのイオン交換体の使用が公知である(米国特許第3,062,739号および第5,002,670号を参照)。典型的には、酸と共に陰イオン交換物質を使用して、酸を除去する。脂質分析の事例において、酸は陰イオン交換物質によって保持される傾向があるので、陰イオン交換物質の使用は、脂肪酸の回収に影響する。]
[0009] 本発明の1つの実施形態において、有機検体を含む液体サンプルの前処理および抽出の方法が提供される。該方法は、(a)固体収着材(solid sorbent material)中に有機検体および酸または塩基を含む水性液体サンプルを収着する(sorb)こと、ならびに前記酸または前記塩基を支持体表面上に保持される中和イオンとの反応により少なくとも部分的に中和または沈殿させることと、(b)液体サンプルが収着された(liquid sample-sorbed)収着材を有機溶媒と接触させて前記溶媒の中へ前記検体を抽出することとを含む。]
[0010] 他の実施形態において、固体マトリックス中の液体サンプルから有機検体を抽出する方法が提供される。方法は、ジルコニウム金属内面を有する容器中で高温および高圧で有機溶媒中の有機検体を抽出することを含む。]
[0011] さらなる実施形態において、装置は、有機検体を含む液体サンプルの前処理および抽出のために提供される。装置は、抽出チャンバーを画成する(define)筺体(housing)、ならびに固体収着材および支持体表面上で保持される中和イオンを含み、収着材および中和イオンは抽出チャンバー中に置かれる。]
[0012] 他の実施形態において、抽出装置は加速溶媒抽出における使用ために提供される。装置は抽出チャンバーを画成する内壁を備えた容器を含み、前記内壁はジルコニウム金属から形成される。]
[0013] 本発明の1つの実施形態において、有機検体および酸または塩基を含む水性液体サンプルは、固体収着材中に収着される(すなわち、吸収および/または吸着される)。酸または塩基は、少なくとも支持体表面上で保持される中和イオンとの反応によって部分的に中和される。本明細書において使用される時、用語「中和イオン(複数可)」は、(a)酸もしくは塩基と接触させた場合に塩を形成するイオン、または(b)サンプル中の酸もしくは塩基を含むマトリックスイオンと接触させた場合に反応してマトリックスイオンと共に沈殿を形成するイオンを含む。その後、液体サンプル−収着された収着材を有機溶媒と接触させて、溶媒の中へ検体を抽出する。保持されるイオンのための支持体表面は、固体収着材上、またはイオン交換樹脂のような独立した材料上でありえる。]
[0014] 本発明の方法で使用されるかかる有機検体含有サンプルは、‘311特許およびEPA方法3545中に記述される。]
[0015] 本明細書において使用される時、支持体表面上で保持される固体収着材および中和イオンの組み合わせは、「収着剤/中和剤」と呼ばれる。]
[0016] 本明細書において使用される時、特別の指示の無い限り、用語「有機検体」は、もとのサンプル中の検体、または収着の前に前処理されるかもしくは収着されるような検体の型を指す。したがってもとのサンプルが酸または塩基により前処理(サンプル中の脂質を加水分解する酸処理など)されるならば、用語「有機検体」は加水分解された脂質を含む。同様に、特別の指示の無い限り、用語「サンプル」または「液体サンプル」は、もとのサンプル、収着の前に前処理されるかまたは収着されるようなサンプルの型を包含する。]
[0017] 本発明の方法を実行するために、有機検体を含む液体サンプルの前処理および抽出に適切な装置が提供される。装置は、適切なポートを備えた抽出チャンバーを画成する筺体ならびに支持体表面上で保持される固体収着材および中和イオンを含む。収着材および中和イオンの両方は抽出チャンバー中に置かれる。1つの実施形態において、支持体表面は収着材上である。]
[0018] 適切な収着材は、珪藻土(セライト株式会社、J.T.ベーカー(Baker)社およびダイオネックス社のような様々な供給業者から利用可能);珪酸アルミニウム(スターダスト(Stardust)と呼ばれる商品として入手可能);およびポリアクリル酸ナトリウムを含む。好ましくは、収着材は、水性液体サンプル中の水を実質的にすべて収着することができる。]
[0019] 本発明は、塩を形成する中和剤に関して最初に記述する。収着剤/中和剤の1つの実施形態において、中和イオンを保持する支持体表面は、収着材自体上である。この型の1つの材料は、「トラップした収着剤/中和剤」と呼ばれる。本明細書において、珪藻土のような収着剤は、以下に定義される酸もしくは塩基の溶液または沈殿試薬を接触させることによってロードされ、高収着できるように十分な程度まで(例えば、重量で5%未満の水性液体含量で)少なくとも部分的に乾燥される。中和されたイオンは、乾燥した材料の表面上での保持によって収着剤中にトラップされる。したがって、サンプルマトリックス中の液体サンプルおよび酸または塩基を収着する収着剤/中和剤として働く乾燥材は中和される。例えば、サンプル液体が濃酸を含んでいるならば、次に水性液体サンプル中の水と共に吸収される酸により塩が形成されるように、収着剤/中和剤はその中に塩基をトラップする。酸により中和された産物が塩化ナトリウムおよび炭酸になるので(二酸化炭素は泡として出て水中に溶解される)、炭酸ナトリウムを本出願に使用することは有利である。水酸化ナトリウムを使用する塩基をトラップした収着剤/中和剤も、本明細書において記述されるようなNa2CO3をトラップした材料のかわりに使用することができる。この実施形態はシステムに水を追加しない。さらに、トラップした収着剤/中和剤は、交換樹脂材(例えばサンプル中の中和濃酸のための陽イオン交換材)の使用を必要としない。このことは、陽イオン交換材が、土壌などのからのサンプル中のフェノール(いくつかのサンプルで回収減少を導く)と相互作用できるという点で有利である。]
[0020] 収着剤/中和剤の他の実施形態において、収着材は、荷電した固体支持体、例えば、ポリマー鎖上に荷電モイエティ(charged moiety)を含むポリマーを含む。本明細書において、中和剤は、静電的に結合された荷電モイエティに対するカウンターイオンである。この型の適切な収着剤/中和剤は、ポリ(アクリル酸)、およびそのコポリマー、例えば、シグマ・アルドリッチ(Sigma Aldrich)社(P/N432784)によって販売される、ポリアクリル酸ナトリウム、架橋された部分的ナトリウム塩、グラフトポリ(エチレンオキシド)を含む。]
[0021] 本発明の他の実施形態において、収着剤/中和剤の中和剤の一部分は、収着材から離れて置かれるかまたは混合された抽出チャンバー中のイオン交換樹脂である。例えば、中和イオンは、サンプル中の酸または塩基の塩を形成するイオン交換支持体媒体上の交換イオンを含むことができる。サンプル中の酸を中和するために、陽イオン交換樹脂(例えばナトリウム型で)は、水−珪藻土のような収着材との組み合わせで、個別のコンポーネントとして使用することができる。本明細書において、陽イオン交換樹脂は酸を中和して、サンプルからの水と共に、珪藻土によって吸収される塩化ナトリウムを産生する。]
[0022] 支持体表面上で保持された中和イオンの適切な実施形態は、ナトリウム型のアンバーライト(Amberlite)IR 122を含む陽イオン交換媒体上のイオン交換モイエティである。ヒドロニウム型のアンバージェット(Amberjet)UP1400(ナトリウム型に変換することができる)、ヒドロニウム型のダウエックス(Dowex)50WX8−400(ナトリウム型に変換することができる)または適切には1〜5meq/g、好ましくは2〜3meq/gの容量の他の類似した樹脂。陰イオン交換材の適切な実施形態は、ダウエックス・マラソン(Marathon)550 A(OH)タイプ1、強塩基陰イオン交換スチレン−DVBベースのゲル、アンバーライトIRA 67、および0.5〜5meq/g、好ましくは1〜3meq/gの容量を備えた同種のものである。]
[0023] サンプルに収着された収着剤は、実際には、真のSLE(固−液抽出)プラットフォームを可能にする。1つのかかる抽出プラットフォームは、‘311特許およびEPA方法3545(参照することにより本明細書に組み入れられる)に記述される加速溶媒抽出である。かかる抽出は、高温、例えば40℃〜200℃、より典型的には80℃〜150℃、ならびに少なくとも6895hPa(100psi)、および典型的には6.895〜10.342MPa(1000〜1500psi)またはそれ以上だが超臨界条件未満の高圧を使用する。]
[0024] 上で記載したように、酸または塩基は、希釈または濃縮された形式で、回収される液体サンプル中に存在することができる。さらに、それは液体サンプルの前処理に追加することができる。例えば、濃酸を液体サンプルに追加して、加水分解した脂質の分析のために、サンプル中の脂質を加水分解することができ、本明細書において「ドレーン方法」と呼ばれる。2層が密度差に起因して形成される。酸加水分解後の脂質層は濃縮水性酸性層よりも低い密度を有する。この密度差は水性酸性層の上に脂質層を形成させる。この実施形態において、脂質層の実質的な部分は水性酸性層から取り出され、酸性層中の酸が実質的にない収着剤によって収着される。このことは、回収を増加するための収着剤の酸強度を低下させ、分析コストを低下させ、小型の装置またはセルを使用することを可能にする。]
[0025] 本発明の他の実施形態は、高温および高圧での使用のための抽出装置、特に酸または塩基、特に濃酸または濃塩基のような腐食性液体の存在下で使用できるものに関する。かかる装置の抽出チャンバーの内面は、‘311特許に記述されるような加速溶媒抽出で使用されるように、高温および高圧で酸、塩基および有機溶媒に耐性があるべきである。硝酸、塩酸、および高濃度の濃硫酸、そして大部分の有機酸を含む多くの強酸に対して、ジルコニウムが優れた耐性を呈することが見出されてきた。このことから、ジルコニウムは、加速溶媒抽出で使用されるような高温および高圧下などで、抽出チャンバーおよび弁の内壁または表面に好ましい金属である。ジルコニウムは、収着剤/中和剤を利用して、有機検体および酸または塩基を含む水性サンプルまたは液体サンプル、例えば、濃酸で処理して脂質などの有機成分を加水分解した水性液体サンプルを収着する、前述のタイプのシステムにおいても特に効果的である。]
[0026] 上で記載したように、中和イオンは、サンプル中のマトリックスイオンにより沈殿を形成するように酸または塩基と反応する、固体表面上のイオンでもありえる。本明細書において、沈殿は妨害する可能性のあるマトリックスイオンを除去する。このタイプの除去は滴定およびクロマトグラフィーの適用で使用される。例えば米国EPA方法314.0において、イオンクロマトグラフィーによって飲料水を分析する間に、高濃度の塩化物および硫酸塩の存在は過塩素酸塩のような低いレベルのイオンの分析を妨害しうる。このアプローチにおいて、銀型のイオン交換樹脂を使用して沈殿によって高濃度の塩化物を除去する。同様に、バリウム型の陽イオン交換樹脂を使用して高濃度の硫酸塩を除去することができる。本発明において、これらおよび他の析出方法を使用することができる。支持体表面上の適切な型の中和イオンとイオン交換媒体を組み合わせて、マトリックスイオンおよび収着剤の沈殿を形成することによる前処理は、本発明に記載の抽出適用に有用である。]
[0027] 例えば、珪藻土と併用した銀型の陽イオン交換樹脂相は沈殿によって塩酸から塩化物を除去するのに有用であり、残存する水相は珪藻土吸収剤によって吸収することができる。]
[0028] このアプローチの他の変形において、吸収剤、例えば、珪藻土の中に適切な沈殿試薬をトラップすることができ、同様の反応は残存する水相の吸収と共に進行するだろう。本明細書において定義されるように、沈殿試薬は、酸または塩基と接触させた場合に沈殿を形成する沈殿モイエティを含む塩または他の試薬である。例えば、硝酸銀またはクロム酸銀溶液を含む沈殿試薬により珪藻土を浸漬し乾燥して、珪藻土収着剤中の固体材として硝酸銀またはクロム酸銀をトラップすることができる。ここでは、沈殿モイエティは銀である。水相中の高レベルの塩化物に暴露されたときに硝酸銀またはクロム酸銀をトラップした珪藻土は、塩化銀として塩化物イオンを沈殿させ、残存する水相は珪藻土によって吸収されるだろう。先行技術、例えばD.A. SkoogおよびD.M. WestおよびF.J. HollerによるAnalytical Chemistry中の13章の滴定法は、沈殿法によって決定できる様々な種をリストしており、本発明により同じイオンのリストを除去することができるだろう。銀型イオン交換材または銀塩をトラップした珪藻土は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、チオシアネートおよび同種のものなどの様々なマトリックスイオンの除去のために適切である。同様に、バリウム型陽イオン交換材またはバリウム塩をトラップした珪藻土は、硫酸塩およびヨウ素酸塩などのマトリックスイオンの除去に適している。]
[0029] 適切な試薬中にポンプで入れて必要とされる型に変換することによって、市販で入手可能なイオン交換樹脂から上記の沈殿の適用に適切なイオン交換材を調製することができるだろう。かかる方法は先行技術において周知である。例えば、硝酸銀溶液などの試薬中にポンプで入れることによって、ヒドロニウム型の陽イオン交換樹脂を銀型に変換することができるだろう。樹脂はDI水により洗浄され、本発明による使用のために準備ができている。2つまたはそれ以上の異なるマトリックスイオンの沈殿を促進する2つまたはそれ以上の異なる樹脂タイプを組み合わせることも可能であり、残存する水相は珪藻土吸収剤によって吸収される。例えば、マトリックスが塩化物および硫酸塩を含む場合、次に銀型のおよびバリウム型の陽イオン交換樹脂の組み合わせは珪藻土と併用して使用されるだろう。]
[0030] 標準的な液−液抽出(LLE)は、酸または塩基による前処理後にサンプルを抽出する一般的な方法である。LLEは多量の有機溶媒を使用し、時間を非常に消費するものである。自動化はほとんどされておらず、したがって労働コストは高い。基本的に本発明の実施形態は、前処理した液体サンプルを収着剤/中和剤と混合して酸または塩基を中和し水を収着し、そして液体サンプルを固体マトリックス中にトラップされたサンプルに変換することによって、LLEを固−液抽出(SLE)に変換する。次にこの混合物は、加速溶媒抽出、超音波処理、ソックスレー、自動化ソックスレーなどを含む何らかの固−液抽出技術を使用して抽出することができる。]
[0031] 本発明に記載のSLEは、長く時間を消費する液−液抽出を除外することを可能にする。液体サンプル(酸または塩基により前処理されたかどうかに関わらず)は特有の収着剤/中和剤と混合し、次に固−液抽出を行うことができる。SLEは、LLEプロセスよりも予測可能であり自動化が容易である。LLEプロセスはジエチルエーテルなどの危険および引火性溶剤をしばしば使用するが、この新しいプロセスはヘキサンなどのより安全な溶媒を使用する。ジルコニウムの使用は、抽出のための酸性溶媒システムまたは塩基性溶媒システムの使用を可能にする。したがって、酸(例えば加水分解)または塩基(例えば鹸化)による前処理を受けたサンプルは、ヘキサンなどの溶媒によりSLE条件下で抽出される。ASEなどの技術と併用して使用された場合、抽出時間、労働、溶媒使用についての節約を実現できる。]
[0032] 以下の非限定的実施例は、イオンクロマトグラフィーシステムのための本発明を実証する。]
[0033] 実施例1
この実施例において、有機検体サンプルは、抽出前に酸または塩基による前処理(特にHClによる加水分解)を受ける。適切なガラス容器またはプラスチック容器中の10mLの8MのHClとサンプルを混合する。サンプルを80℃で60分間加熱する。加水分解後に、液体サンプルを正しい量の収着剤/中和剤と混合して、水を収着し部分的に酸を中和する。結果として生じるサンプルは、‘311特許に記述されるローディング手順を使用して、適切なサイズのセル、例えば、ダイオネックス社によって販売されるASE(登録商標)スタンダードセル中にロードされる。ロードしたセルをキャップし、抽出のための‘311特許のASEシステムにおける適切な条件(100〜125℃のヘキサンおよび10.342MPa(1500psi)が一般的な条件である)下に置く。プロセス後に、液体抽出物は、重量測定またはクロマトグラフ技術もしくは分光技術によって分析して、脂質または脂肪酸の含有量を得ることができる。]
[0034] 実施例2
この実施例は、重量による脂質測定のために前処理した酸性食品サンプルのサンプル調製および抽出について記述する。この実施例において、ナトリウム型の陽イオン交換樹脂および珪藻土を、ASEにおける溶媒抽出前の酸性サンプルマトリックスの中和および吸収の目的のために使用した。]
[0035] 陽イオン交換樹脂は、ローム・アンド・ハース(Rohm and Hass)社アンバーライトIR−12−Na陽イオン交換樹脂(Na型)から得られ、水分含量が18%以上である場合オーブン乾燥しておよそ15±3%を達成した。乾燥することにより、水が樹脂の中からおよび抽出の間に使用される溶媒の中へ透過しないことが保証される。]
[0036] A)食品の酸加水分解−重量測定のための手順:
食品サンプル(通常2g)を40mL(ダイオネックス社、P/N048783)中に量りとった。2mLのエタノールを追加し、内容物を混合した。最後に10mLの8MのHClを追加し、内容物を完全に混合した。持続的な振盪をしながら70〜80℃で40分間加水分解を進行させた(AOAC方法996.06中に記述されるように)。酸加水分解したサンプルを室温まで冷却した。]
[0037] B)ASEのためのサンプル調製手順:
食品サンプルの抽出を100mL抽出セル中で行なった。底部のセル末端キャップを固定し、フィルターを挿入した。樹脂のプラグ(約5〜6g)をセルの底部に追加した。16gのASEプレップ(Prep)DE(ダイオネックス社、P/N062819)を乳鉢の中へとり、軽く粉砕した。上述したものからの30gの乾燥樹脂を乳鉢の中へ追加し、実験用乳棒によって十分に混合した。ASEプレップDEおよび樹脂の組み合わせは、本明細書において収着剤/中和剤として呼ばれ、この実施例で使用して濃酸を中和し残存する塩および水を吸収する。酸加水分解したサンプルを乳鉢中のこの混合物の上に平らに追加した。加水分解サンプルボトルをエタノールおよび石油エーテルの1〜2mLの小分けによりすすいで、残存するサンプルを乳鉢の中へすすぎ落とした。全量を乳棒によって混合し、さらに塊を破壊した。この混合物をセルロースフィルターおよび樹脂を含む同じ100mLセルの中にロードした。樹脂のもう一つのプラグ(約4〜5g)をセル上部から追加し、上部末端キャップを添付した。ここで抽出セルはASEにおける抽出のために準備ができていた。]
[0038] C)ASEにおける抽出:
10.342MPa(1500psi)の圧力を5分の保持時間に使用し、30%フラッシュ容積を3サイクルに使用する100℃での抽出のために、ダイオネックス社(サニーヴェール、カリフォルニア)からのASE100/300として販売されるASE器機の中に、セルをロードした。ヘキサンを抽出用溶剤として使用した。120秒のパージを使用して、抽出が完了した後に残存する溶媒を置換した。抽出物を250mLの回収ボトル(ダイオネックス、P/N056284)中に回収した。全抽出時間は1サンプルあたり約25分であった。]
[0039] 抽出条件:
圧力:10.342MPa(1500psi)
温度:100℃
加熱時間:5分
保持時間(static time):5分
サイクル:3
フラッシュ:30%
パージ:120秒
溶媒:ヘキサン]
[0040] D)蒸発:
回収した溶媒/抽出物を窒素ガス流下で約70〜80℃のウォーターバス中で蒸発させた。回収ボトルを75℃で30分間LC−30オーブン(ダイオネックス社)中でさらに乾燥した。]
[0041] E)モジョニエ抽出(先行技術方法):
モジョニエ抽出はAOAC方法996.06に従って行なった。1A)で上述したものからの酸加水分解したサンプルを含む40mLバイアルの内容物を、モジョニエ抽出フラスコに移した。バイアルは、モジョニエフラスコに追加したエタノール(5〜6mL)の小分けにより2回すすいだ。25mLのエチルエーテルをモジョニエフラスコに追加した。モジョニエフラスコを手動で5分間振盪した。次に、25mLの石油エーテルをモジョニエフラスコに追加した。フラスコを再び5分間振盪した。有機エーテル層および酸層が分離し、上部有機層の微粒子がなくなるまで、モジョニエフラスコを60分間放置した。上部層をあらかじめ量っておいた60mLバイアル(ダイオネックス、P/N048784)の中へデカントした。脂肪を含有するエーテルは、ウォーターバス中で40〜50℃の窒素気流下で蒸発乾固した。蒸発は範囲の下端で開始して、沸騰およびサンプルの可能な損失を阻害した。エーテルがすべて蒸発した後、60mLバイアルを75℃に設定したLC−30オーブン中に置いて30分間乾燥させた。]
[0042] 結果:表1は、ASE法からの結果(収着剤/中和剤によるサンプル前処理後)およびモジョニエ法(先行技術)を比較したものである。これらの結果は、両方の方法が脂肪回収または脂質%に関して同等のパフォーマンスを提供することを示した。収着剤/中和剤法と併用したASE法は、先行技術のモジョニエ法と比較して、はるかに迅速であり、自動化されていた。

表−1:ASE抽出法およびモジョニエ抽出法続いて重量測定による定量化を使用する酸加水分解後の様々な食品サンプルについての脂質(%)。]
[0043] 実施例3
この実施例は、GC−MSを使用する脂質測定のために前処理した酸性食品サンプルのサンプル調製および抽出について記述する。]
[0044] 加水分解手順:食品サンプルを量りとり、40mLバイアル中に置いた。サンプルの量は、およそ100mgの脂質が加水分解の間に放出されるように、0.1〜0.5gで調節された。0.1gのピロガロールを追加した(加水分解の間の酸化損失を阻害するために使用した)。2mLの内部スタンダード溶液(クロロホルム中のC19脂肪酸)をバイアルに追加した。2mLのエタノールを追加し、内容物を混合した。最後に、10mLの8MのHClを追加し、バイアルを完全に混合した。75〜80℃で60分間加水分解を進行させた。バイアルは60分の間全体で持続的に振盪した。すべてのサンプルは、使用した抽出手順(モジョニエまたはASE)に関係なく、これらの条件を使用して加水分解した。]
[0045] モジョニエ手順:加水分解したマトリックスを含む40mLバイアルの内容物をモジョニエ脂肪抽出フラスコに移した。バイアルを、モジョニエフラスコに追加したH2Oの10mLの小分けで1回および試薬アルコール(6mLおよび5mL)小分けで2回すすいだ。25mLのエチルエーテルをモジョニエフラスコに追加した。モジョニエフラスコを手動で1分間振盪した。次に、25mLの石油エーテルをモジョニエフラスコに追加した。フラスコを再び1分間振盪した。水層および有機層が分離し、上部有機層の微粒子がなくなるまで、モジョニエフラスコを45分間放置した。上部層をあらかじめ量っておいた60mLバイアルの中へデカントした。上述の手順は、第1の抽出において使用した25mLの代わりに、さらに2回の15mLの各エーテル(エチルエーテル、次に石油エーテル)で繰り返した。]
[0046] 脂肪を含むエーテルを45〜50℃で窒素気流下で蒸発乾固した。ウォーターバスの中に置く前に、エーテルを部分的に蒸発させて沸騰およびサンプルの可能な損失を阻害した。すべてのエーテルが蒸発した後、60mLバイアルを110℃に設定したオーブン中に置いて、20〜30分間乾燥させた。これは、残存する水を蒸発させるために行われた。次にバイアルを再度量り、重量測定により重量を決定した。通常、モジョニエの重量測定による重量は他の抽出法よりもわずかに高い。これは、エーテルが単にサンプルからの脂肪以上を抽出するためである。糖および炭水化物は最も一般的な妨害の一つである(サンプルマトリックスに依存して)。FAME分析を脂肪測定に使用する利点は、脂肪酸のみがFAME(脂肪酸メチル)に変換され、GC/MSによって検出されるということである。妨害化合物はメチル化されない。]
[0047] 収着剤/中和剤前処理およびASE抽出:酸加水分解が完了した後、40mLバイアルの内容物を、30グラムの樹脂および15グラムの粉砕したASEプレップDEを含む乳鉢に移した。均一な混合物が得られるまで、乳鉢の内容物を乳棒により穏やかに混合した。40mLバイアルをエチルエーテルの2mLの小分けにより2回すすぎ、各小分けを乳鉢に追加した。乳鉢の内容物を乳棒により再び穏やかに混合した。次に乳鉢の内容物を、セルロースフィルターおよび6グラムの樹脂材を含む100mLジルコニウム金属ベースのASE350抽出セルに追加した。5グラムの樹脂を抽出セルの上部に追加し、抽出セルを閉じた。抽出セルを抽出のためにASE350中に置いた。]
[0048] ASE350抽出条件:
温度:100℃
保持時間:5分
サイクル:3
フラッシュ:70%
パージ:120秒
溶媒:ヘキサン]
[0049] ASE350での抽出後に(ジルコニウムセルおよびコンポーネントにより)、あらかじめ量っておいた抽出バイアルの内容物をSE500で窒素気流下で蒸発乾固した。エバポレーターを70℃の温度に設定した。]
[0050] ポリアクリル酸(収着剤/中和剤)前処理およびASE抽出:加水分解したマトリックスを含む40mLバイアルの内容物を、25グラムのポリアクリル酸および15グラムのJ.T.ベーカー社の珪藻土(収着剤/中和剤)を含む乳鉢に移した。均一の混合物が得られるまで、乳鉢の内容物を乳棒により穏やかに混合した。40mLバイアルをエチルエーテルの2mLの小分けにより2回すすぎ、各小分けを乳鉢に追加した。乳鉢の内容物をグラスファイバーフィルターを含む100mLジルコニウム金属ベースのASE350抽出セルの中へ注いだ。抽出セルを以下の条件下で抽出のためにASE350に置いた。]
[0051] ASE350抽出条件:
温度:110℃
保持時間:5分
サイクル:3
フラッシュ:70%
パージ:120秒
溶媒:ヘキサン]
[0052] ASE350(ジルコニウムのセルおよびコンポーネントを備えた)での抽出後に、あらかじめ量っておいた抽出バイアルの内容物を、SE500で窒素気流下で蒸発乾固した。エバポレーターを70℃の温度に設定した。]
[0053] エステル化手順:脂肪残渣をそれぞれの食品マトリックスから抽出し乾燥させた後に、3mLのクロロホルムおよび3mLのジエチルエーテル中に溶解した。この溶液を圧力管に移した。40mLバイアルをクロロホルムおよびエーテルにより2回洗浄して、圧力管(ACEガラス社)へ可溶化した脂肪を完全に移すことを保証した。結果として生じるクロロホルム/エーテル混合物(溶解した脂肪を含む)を、窒素気流下で40℃で蒸発乾固した。圧力管の内容物が乾燥したならば、2.0mLのメタノール中の12%のBF3三フッ化ホウ素および1.0mLのトルエンを各圧力管に追加した。圧力管を密封し、10分ごとに緩やかに振盪しながら、100℃に設定したオーブン中に55分間置いた。圧力管を室温まで冷却した。次に、5mLのH2O、2.0mLのヘキサンおよび1.0gのNa2SO4を、圧力管に追加した。チューブを1分間振盪するかまたはボルテックスにより撹拌した。]
[0054] 2つの層を分離させ、上部ヘキサン層を除去し、1.0gのNa2SO4を含む40mLバイアルの中に置いた。ヘキサンの第2の2.0mLの小分けを圧力管に追加した。圧力管を1分間振盪するかまたはボルテックスにより撹拌した。2つの層を分離させ、上部ヘキサン層を除去し、1.0gのNa2SO4および第1のヘキサンの小分けを含む40mLバイアルの中に置いた。ヘキサン/トルエン混合物の最終的な容積は、GC/MSによって分析の前に正確に測定された。この値はサンプル中に見出される脂肪の量を計算するために使用した。FAME分析のために調製したすべてのサンプルに対して、10倍希釈を実行した。脂肪の%回収を決定するために使用する計算はすべて、AOAC公式方法996.06セクションGから採用した。]
[0055] GC/MS分析パラメーター:レステック(Restek)社からのRTXワックスカラム(部品番号12423)をすべての分析で使用した。カラムは30メーター長で0.25mmの内径および0.25μmの膜厚であった。流速を1.4mL/分に設定した。]
[0056] 以下のGCパラメーターを使用した。25:1スプリットを使用した。最初のオーブン温度は125℃で30秒間保った。次にオーブンは210℃まで毎分7℃の率で加熱し、次に15分間保った。全分析時間は27分40秒であった。注入ポートは220℃であったが、GC/MSインターフェースは230℃であった。]
[0057] MS条件:質量分析計を40〜550amu(原子質量単位)を走査するように設定した。EM(電子増倍管)電圧を1365ボルトに設定した。]
[0058] 表−2:ASE法およびモジョニエ法を抽出に使用する酸加水分解と続いて行なわれるGC−MSにおけるFAME分析後の様々な食品サンプルの脂質(%)。]
[0059] 表2からの結果は、2つの異なる収着剤/中和剤処理によるASE法とモジョニエ法(先行技術法)の高い相関性を示す。]
[0060] 実施例4
ドレーン法
この実施例は、本発明のドレーン法によりサンプル容器からある程度の酸を除去した後の、重量測定による脂質測定のために前処理された酸性食品サンプルのサンプル調製および抽出について記述する。脂質/脂肪の密度は酸よりも常に低く、したがって脂質/脂肪は酸層の上に浮くにちがいない。加水分解された食品サンプルの底部層からある程度の酸をドレーンさせることは、酸含量の低下を支援する。実施例1中で言及されるように、食品の酸加水分解を行なった。実施例1中で記述されたサンプル調製手順の前に食品サンプルの酸加水分解の底部層から吸引することによって、6〜8mLの酸を除去した。PEEKフィッティングを介して10mlのシリンジに結合したPEEKチューブ(0.03インチ内径、0.062インチ外径、アップチャーチ(Upchurch)社)を酸除去プロセスに使用した。酸は。抽出条件は、ステンレス鋼コンポーネントを備えたASE300システムをこの実験に使用した以外は、実施例1と同様であった。]
[0061] 表−3:ASE法およびモジョニエ法を抽出に使用する酸加水分解および酸ドレーン、続いて重量測定による定量化後の様々な食品サンプルについての脂質(%)。]
[0062] 表3中の結果は、ASE法(酸除去後の)とモジョニエ法との間の高い相関性を示した。]
[0063] 実施例5
本発明により、酸ドレーン法のためにより小さなセルを、比例してより少ない量の収着剤/中和剤材と共に、使用することができるだろう。より小さなセルには、より少ない溶媒を使用するという他の利益がある。したがって、より小さなセルの使用は1分析あたりより低いコストを導くだろう。実施例1中で記述されるように、酸加水分解およびサンプル調製を行なった。抽出条件は実施例1と同様である。酸ドレーンし加水分解したボローニャソーセージサンプルを使用し66mLセルを使用して、28.82%の脂質含量が得られた。回収は、実施例2および3中で示される100mLセルと同等であった。収着剤/中和剤の材料コストは、66mlセルに対して100mlセルを使用する標準的な手順のドレーン法の実行によって、25〜30%減少させることができる。]
[0064] 実施例6
トラップした収着剤/中和剤。この実施例において、塩基(Na2CO3)を吸収材(珪藻土)に中にトラップした。この塩基をトラップした材料は、ASEにおける溶媒抽出前の酸性サンプルマトリックスの吸収および中和の二重目的に使用される。]
[0065] トラップした収着剤/中和剤の調製:106/gのNa2CO3を媒体熱および撹拌により脱イオン水中にゆっくり溶解し、最終体積300mLの約3.33MのNa2CO3を得た。100mLの3.33MのNa2CO3を、均質に注入するために持続的な撹拌しながら、15〜20分間かけて100gのASEプレップDE(ダイオネックス社)にゆっくり追加した。この塊を70〜75℃のオーブン中で24〜25時間乾燥した。トラップされたDEの水分含量は約3%(比較としてスタンダードDEで約1%以下)であり、容量は約2.4meq/gであった。これは、トラップされた塩基材料が中和反応に利用可能であったこと示すように思われる。]
実施例

[0066] 実施例7
酸加水分解したマヨネーズサンプル(実施例1中で記述されるように)を、軽く粉砕した10gのASEプレップDEを含む乳鉢に追加した。実施例5からの16〜25gの塩基をトラップした材料を乳鉢に追加し、均一な混合物が得られるまで内容物を乳棒により混合した。乳鉢からの塊を、セルロースフィルターおよび塩基をトラップしたDEのプラグ(約5〜6g)を含む100mL抽出セルに追加した。塩基をトラップしたDEのプラグ(約5〜6g)を抽出セルの上部に追加し、セルを閉じた。抽出セルを抽出のためにASEセル中に置いた。26〜35gの塩基をトラップしたDE全体および10gのASEプレップDEは、樹脂を追加することなくサンプル調製に使用した。抽出は、実施例1中で記述されるものと同様の条件であるが110℃および130℃を使用して行われた。回収した抽出物を窒素気流下で約70〜80℃で蒸発させた。回収ボトルを75℃のLC−30オーブン中で30分間さらに乾燥した。脂質含量は、110℃で約75.53%および75.38%であり、130℃で75.28%であった。pHをチェックするために、10mLのDI水を回収ボトルに追加し、振盪し、回収した抽出後の溶媒と混合した。スクイズピペットによって水をサンプリングし、pHメーターを使用してpHを測定した。抽出物のpHは、中性付近(26gの塩基をトラップしたDEについて)、または中性のpHよりわずかに高かった(35gの塩基をトラップしたDEについて)。上述の結果は本発明の方法の優れた有用性を示した。]
权利要求:

請求項1
有機検体を含む液体サンプルを前処理および抽出する方法であって、(a)固体収着材中に有機検体および酸または塩基を含む水性液体サンプルを収着すること、ならびに前記酸または塩基を支持体表面上で保持される中和イオンとの反応により少なくとも部分的に中和または沈殿させる工程と、(b)液体サンプルが収着された収着材を有機溶媒と接触させて、前記溶媒の中へ前記検体を抽出する工程とを含む前記方法。
請求項2
前記酸または塩基が工程(a)において部分的に中和される、請求項1に記載の方法。
請求項3
前記酸または塩基が工程(a)において沈殿される、請求項1に記載の方法。
請求項4
前記支持体表面が前記収着材上にある、請求項1に記載の方法。
請求項5
前記収着する工程の前に酸、塩基、または沈殿試薬と前記収着材を接触させること、次いで前記収着材を少なくとも部分的に乾燥することによって、前記収着材表面上に前記中和イオンが保持される、請求項4に記載の方法。
請求項6
前記収着材が、ポリマー鎖上の荷電モイエティを含むポリマーをさらに含み、前記中和イオンが、静電的に結合された前記荷電モイエティに対するカウンターイオンである、請求項4に記載の方法。
請求項7
前記中和イオンが、前記固体支持体表面に共有結合された荷電モイエティに対するカウンターイオンを含む、請求項1に記載の方法。
請求項8
前記中和イオンが交換イオンを含み、前記支持体表面がイオン交換媒体上にある、請求項1に記載の方法。
請求項9
前記抽出が、ジルコニウム金属内面を有する容器中で行われる、請求項1に記載の方法。
請求項10
前記抽出が、加速溶媒抽出によって行われる、請求項1に記載の方法。
請求項11
前記収着材が、前記液体サンプル中の水を実質的にすべて吸収することができる、請求項1に記載の方法。
請求項12
前記収着材が、珪藻土、珪酸アルミニウム、およびポリアクリル酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
請求項13
前記有機検体が第1の層中に酸加水分解した脂質を含み、前記液体サンプルが下方の第2の層中に酸を含み、かつ前記第1の層と接触しており、前記方法が前記第1の層から前記第2の層の実質的な部分を分離する工程を含み、工程(a)において収着された前記液体サンプルが前記分離した第1の層を含む、請求項1に記載の方法。
請求項14
工程(b)の抽出した検体を検出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
請求項15
固体マトリックス中の液体サンプルから有機検体を抽出する方法であって、ジルコニウム金属内面を有する容器中で高温および高圧の有機溶媒中で前記有機検体を抽出する工程を含む、前記方法。
請求項16
有機検体を含む液体サンプルの前処理および抽出のための装置であって、抽出チャンバーを画成する筺体、ならびに固体収着材および支持体表面上に保持される中和イオンを含み、前記収着材および中和イオンが前記抽出チャンバー中に置かれる、前記装置。
請求項17
前記支持体表面が前記収着材上にある、請求項16に記載の装置。
請求項18
前記支持体表面を酸または塩基と接触させること、次いで前記収着材を少なくとも部分的に乾燥することによって、前記収着材上に前記中和イオンが保持される、請求項17に記載の装置。
請求項19
前記収着材がポリマー鎖上の荷電モイエティを含むポリマーを含み、前記中和イオンが静電的に結合された前記荷電モイエティに対するカウンターイオンである、請求項17に記載の装置。
請求項20
前記中和イオンが、前記支持体表面に共有結合された荷電モイエティに対するカウンターイオンを含む、請求項16に記載の装置。
請求項21
前記中和イオンがイオン交換支持体媒体上の交換イオンを含む、請求項16に記載の装置。
請求項22
前記収着材が、珪藻土、珪酸アルミニウム、およびポリアクリル酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項16に記載の装置。
請求項23
前記チャンバーの内面がジルコニウム金属を含む、請求項16に記載の装置。
請求項24
抽出チャンバーを画成する内壁を備えた容器を含み、前記内壁がジルコニウム金属で形成されている、加速溶媒抽出で使用される抽出装置。
請求項25
固体材中に保持された有機溶媒および有機検体を含む抽出混合物をさらに含む、請求項24に記載の装置。
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